CentOSが無くなる?

開発環境

CentOSが無くなる??

現場を長く離れていたため、2020年12月8日のこの発表を知ったのがつい先日。

CentOS Project shifts focus to CentOS Stream

CentOS Projectは、今後はCentOSの開発をCentOS Streamにフォーカスし、通常のCentOS8のEoL(End of Life)を変更し2021年末までとし、また同時に、CentOS9がリリースされることもないことも表明されました。

ただし、CentOS7に関しては、既に多くの投資がされていることを理解した上で、RHEL7のライフサイクル(メンテナンスサポート2)の終了日(2024年6月30日)まではアプデを続けますよ、と。
CentOS Product Specifications

ようは、CentOS、アウト! Stream、イン!! ということなんですが、どうやらStreamは安定性に疑問があり、現在CentOSを利用しているならば乗り換えを検討した方がいいとかいう声が上がっています。

個人的には、サーバーには専らCentOSを利用してきたんですが、単純に「CentOS == RHEL」という見方をしていた、つまり「高価な(===堅牢な!!!)RHELと全く同じものが無料で使える!!!!」というだけでCentOSを選択していたわけです。

また、私のような地方の弱小フリーランスの場合、受注案件では大体レンタルサーバーの利用だし(有名どころを使っておけば間違いないww)、受託案件だとバックエンドに関わる必要がほぼなく、コーディングに集中すれば良いわけで、OSの選択が業務の一部分としてクリティカルな要素になることがなかったんですよね。

なので、例えば私にとってサーバーOSを選ぶ意味というのは、「いつ必要になってもいいように、バックエンドも日常的に触れるようにしておく」あるいは「本番環境に応じた開発環境を用意する」、「ちなみに無料で」とまあこの程度。

話を元に戻して、さてさて巷で一部言われていることを上で書いた「高価なRHELと全く同じものが無料で使える!!!!」に当てはめて言い直すと、「全く」が「ほぼ」になったというぐらいのことでしょう。
ただ、RHELを完全体だとすると、その完全体に至る過程にある、という時系列が問題とされている、というのが私の理解です。

本当に「CentOS Streamは安定性に問題がある」のか?

まあそんなわけで、「CentOS Streamは安定性に問題がある!というのがもし本当であるならば乗り換えの選択肢は用意しておかねばならんのです。で、実際のところ、どーなの、と。

いろいろな記事をググって読んでみたのですが、こちらの記事の

CentOS 8 EoL 変更と CentOS 8 Stream との違い、影響について — MIRACLE LINUX サポート&テクノロジー | サイバートラスト株式会社

他のディストリビューションのリリースモデルに詳しい方なら、CentOS Streamと RHELのパッケージの流れが Debian unstable/testing と Debian stable の流れに似ていることに気がつくかもしれません。Debian というディストリビューションでは、コミュニティのパッケージメンテナがパッケージをアップロードした後、アップロードされたパッケージはまず Debian unstable で利用可能になります、一定期間問題がなければパッケージは Debian testing でも利用可能になり、最終的にその後リリースされる Debian stable にアップロードしたパッケージが含まれてリリースされます。(※2)
 
パッケージのフリーズタイミングなどの差異をあえて無視すれば(※3) いわば Fedora が Debian unstable、CentOS Stream が Debian testing、Red Hat Enterprise Linux とそのダウンストリーム である CentOS が Debian stable に相当すると捉えることができるでしょう。

この部分がしっくりくるのかな、と。つまり、本家のFAQ「Q5: Does this mean that CentOS Stream is the RHEL BETA test platform now?」にある通りですな。

Q5: Does this mean that CentOS Stream is the RHEL BETA test platform now?

A: No. CentOS Stream will be getting fixes and features ahead of RHEL. Generally speaking we expect CentOS Stream to have fewer bugs and more runtime features as it moves forward in time but always giving direct indication of what is going into a RHEL release

また、のちの質問ではこうも言っていますね。

When CentOS Linux 8 (the rebuild of RHEL8) ends, your best option will be to migrate to CentOS Stream 8, which is a small delta from CentOS Linux 8, and has regular updates like traditional CentOS Linux releases.

「問題ないっすよ!Streamにしんさい!」ぐらいの感じですよね。
まあそりゃあ公式はそう言いますわなww
まあ信じてもいいんじゃないか、と、私は思います。

それでも、「製品版(例えばRHEL)は完全に安定している!」「テスト版相当ということはunstableほどではないが安定してない!!」と決めつけるならば、やはりCentOS Streamを使うのを躊躇するという気持ちも分からんでもないわけで。

結論:様子見

で、結局のところは・・・「様子見」ですな。

ただし、CentOS 7 に関しては、ということで。
当然、CentOS 6ならすぐ7にアップした方がいいし、8ならばまた別の対策を(8から7へのバージョンダウンはハードルが高いそうだ)、というかもうCentOS 8 Streamにしてみたらいいんじゃね?と思います。
で、CentOS 7に関してはEoLが2024年6月なので、とりあえず様子見、つまり8に上げない、というぐらいですね。

で、様子見している間に、趣味レベルでいいので他のサーバーOSと戯れて仲良くなっておく、というぐらいのことを考えています。

他のサーバーOSと戯れる

では、他にサーバーOSとして慣れておいた方が良いものは何だろう?
後々役に立つよ〜、ということになったならどんな選択があるのか???
ちょっと考えてみました。
サーバーOSのシェアってのを調べてみたんだけど、明確なデータってないのね。なので、何となくだけど考えてみました。

サーバーOSの選択肢は大きく分けて

  • Linux
  • Window
  • その他(UnixやFreeBSD)

これで問題ないかな。で、これらのうち、私のようなフリーランスでも関わる可能性があるのは上の二つでしょう。FreeBSDはもしかしたらあるかもしれませんが、多分無い。

で、Linuxもいろいろあるので、

  • Red Hat系(RHEL、Fedra、CentOS Streamなど)
  • Debian系(Debian、Ubuntuなど)
  • Amazon Linux 2とか
  • Windows Server(2019とか2016とかHOMEとか?)

まあこんなところでしょう。
自分のお仕事的には、RH系はCentOSで慣れているので、Debian系とWindowsを弄ってみたいですね。

一度IISにインストールしたワードプレスに関して相談を受けたことあるんですが、Windowsサーバーって経験がないと戸惑うことが結構あります。
また、Debian系はアプリケーションのデフォルトの設定ファイルの在りかなど細かいところがRH系とは全然違ってて、何かと迷うことが多いです。

なので、当面のところは

  • Ubuntu
  • Windows Server

時間の許す範囲でこの二つのOSと戯れてみたいと思っています。

終わり!

開発環境CentOS,Linux

Posted by 大将